小説『人魚の眠る家』

普段考えたことのない、自分の中ではいとも簡単に答えを出してしまっていたテーマについての物語。そしてそのテーマの結論は自分で出さなければいけないもの。脳死。言葉が良くない、と言う印象は聞いた当初からあり、でもこの物語を読んで、確かに誰にも決められない事だから、現状考え得る判断基準でしかなく、正しいかどうかなんて誰にも言えない。戦後制定され問題となったと聞く優生保護法と同じような印象を受けた。人は完璧にはなれない。重い、と言ってしまうのがためらわれるほどに難しい、でも考えさせられる物語だった。話の途中だったが播磨薫子が新章房子を語ってボランティアをやっていたところに衝撃を受けた。素晴らしい作品。

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小説『人魚の眠る家』

小説『片想い』

単行本を昨年末に購入、年越ししてしまったので他を差し置いて一気に。

 

このタイトルでこの内容を想像できる人がいるのだろうか。作者である東野圭吾以外にはいない。そう思う。

テーマは男と女、なんだろうか。日々、自分の中でハッキリしない、でも何かしら感じる違和感のような部分があり、でもソレを表に出すことはなくむしろLGBTQなんて自分には関係ない、そういう態度に終始していた自分に今一度立ち止まって考えさせられる作品だった。もちろん作者一流の凄まじいまでの緻密なストーリー構成や細やかなシーン描写は変わらず素晴らしいものだったのだが、テーマが深く心に響いてきた。そしてこれを書いたのが二十年程前とは、、、

まだまだ未読の作品が待ち受けている事を幸せに思わずにはいられない。

小説『片想い』

小説『マスカレード・ナイト』

本家

東野圭吾のマスカレードシリーズ最終作?

かどうかは知らないけど、大きな区切りはついていると思われる終わり方だった。

相変わらず読んだはずの2作品の内容が思い出せないまま読み進めたが、ホテルが舞台なこととその従業員と刑事が絡み合う話だった事はなんとなく覚えていて、帰国子女だった事なんかは全く覚えておらず、それがホテルマンに扮する為の選定理由になっていそうな事なんかも全く覚えていない。

でも、初めて読んだとしても抵抗なく読めるだろうし読み始めればその世界にすぐに入り込める事は間違いなく、でも色んな登場人物が色んな含みを持たせた状態でストーリーは進行、最後にはこれもあれも全部拾うのか、そこもそうつながっていたのか、と思わずにはおれない、東野圭吾らしい緻密な作品。

小説『マスカレード・ナイト』

小説『容疑者Xの献身』

Wiki

映画をみて原作を読んでいたつもりで本棚を見てないことに気付き、改めて読んでみた。

映画の堤真一と松雪泰子がチラつくというより全てのキャラクターがそれぞれの台詞を言っているかのような感覚で読み進めたのは良かったのかどうなのか。そのような読み方でも映画は良く描かれていた、と感じた。東野圭吾作品は、緻密さが論理や技術的な部分だけでなく、登場人物のちょっとした仕草も繊細に描かれていて、それが過ぎると気になるものだと思うのだけれど、丁度いいところに丁度いい具合に散りばめられている、そんなところが魅力なのだと感じた。ラスト、凄まじいシーンが映画でもすごく良く描かれていて、小説を読むとまたそのシーンが頭の中で繰り返された。

小説『容疑者Xの献身』

小説『素敵な日本人』

本家

東野圭吾の短編集を本屋で見かけて購入。

 読み終えてもタイトルの意味がイマイチ分からないのだけれど、それぞれの作品は面白く、著者らしいものばかりであった。

 中でも最後の作品は、代々受け継がれている水晶の数珠は魔法のような力を持っているわけではなく、それを礎に振る舞う事で成功してきたのだ、と言うような話なのかと思っていたら、最後にやはり実際使ったのだ、しかも素敵な使い方をしたのだ、と言う部分に、爽やかなと言うか得も言われぬ感動を覚えた。東野圭吾と言う人の描き方を知っていればそれとなく描かれている部分は全て結末につながることくらい、意識して読まなきゃ駄目なのになぜそんな事もできないのかと自分に嫌気が。でもその分楽しめる、と言うこともあるにはあるのだけれど。

小説『素敵な日本人』

小説『ラプラスの魔女』

本家
映画化されると言うニュースを見て、あれ?新刊?と思ったら、帰国前の2015年に出てたらしい。

ラプラスと言うとポケモン?と思う程には腐っている頭でも覚えていた数学者の名前のタイトルが、その人物が唱えた説のことらしい。

内容としては、東野圭吾作品を愛する自分にとって、これもまた凄いの一言に尽きる作品ではあるのだが、オビにあった“小説の常識をくつがえして”と言う言葉が何をさすのか、がピンとこなかった。いつものように情景が浮かぶ繊細な描写、登場人物一人一人の機微に溢れる心理表現、想像力を掻き立てられる外見の説明も読みごごちが良い。それにしてもこの作品を探していると周りに読んでいない東野圭吾作品が溢れていて、いっそまとめ買いしようかと思いつつ、そんな中でも新作の話も聞こえてきたりして、楽しみではあるものの、いつになったら追いつくのやら、と思ってしまう。インド時代にまとめ買いして持ってっとけば良かったよ。

 

2018/04/05 追記

そろそろ映画上映が近いせいなのか、これの前日譚となる魔力の胎動を読み終え、ところどころ引っかかる程度にしか思い出せない自分の記憶力に愕然としつつもこの話に凄く好奇心をくすぐられたためすぐさま再読開始。途中、桐宮玲が現れるシーンにビクッとしたり(一回読んでんだよね?)、車をそこにつけてどうするんだろ?(ええ?一回読んでるんだよね?)と思ったり、まあ楽しめた。で、前日譚の内容を一部忘れ始めてあれどうだったっけ、、、以降繰り返し。とはならないものの、やはり東野圭吾作品は良い。それを再認識した。

小説『ラプラスの魔女』

小説『恋のゴンドラ』

リリースノート
東野圭吾のゲレンデ?シリーズ。

雪煙チェイスがすぐに出る、と言う事で慌てて読み始めたもののGOT6やらドラマやらPodcastやらYouTubeやらと中々読み進めず、で気付いたら雪煙チェイスが出ていたので意を決して一気に。と言っても読み始めると凄く読みやすく書かれていて、そうする事で少しでも読者層を広げたいのかな、と言う作者の意図を感じた。筆者の雪山いやウインタースポーツ愛?を語る記事を斜め読みした上での想像だが。

本編については、単独の作品としても読めるように描かれてはいるものの間違いなくゲレンデシリーズと続いていて、オーこの登場人物あの人か!的な楽しみもあると言う。頭の二三編を読んで小品集?と勘違いしたのは、俺の、他の作品を読んでいる割に読み込みが足りていない証か。なんせ今作品でも冒頭のシーンが最後になってきいてくるところなんて、あれそう言えば、、、となって読み返したりしてしまっていたから。

正直、若い人の描写はそれが違和感あるのかさえ区別がつかないし、俺視点でみればいい感じで現代感を映し出してはいると感じたので頑張っていると評価すべきか。男女の心理描写がこれまた細かく描かれているのも筆者の特徴が表れていて安心した事も。

雪煙チェイス、すぐに読まないとな!

小説『恋のゴンドラ』