小説『人魚の眠る家』

普段考えたことのない、自分の中ではいとも簡単に答えを出してしまっていたテーマについての物語。そしてそのテーマの結論は自分で出さなければいけないもの。脳死。言葉が良くない、と言う印象は聞いた当初からあり、でもこの物語を読んで、確かに誰にも決められない事だから、現状考え得る判断基準でしかなく、正しいかどうかなんて誰にも言えない。戦後制定され問題となったと聞く優生保護法と同じような印象を受けた。人は完璧にはなれない。重い、と言ってしまうのがためらわれるほどに難しい、でも考えさせられる物語だった。話の途中だったが播磨薫子が新章房子を語ってボランティアをやっていたところに衝撃を受けた。素晴らしい作品。

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小説『人魚の眠る家』

小説『魔女の胎動』

本家

東野圭吾の小説。ラプラスの魔女の前日譚らしい。

確かに、読み進めると円華と言う女性の様子から、そう言えばそんな話だったな、程度にしか思い出せない自分でも、四章の最後とそれに続く第五章でようやくそう言う事か、と気付く。それでもなお、ラプラスの魔女自体はどんな結末だったのか思い出せず、このサイトに残した感想を読んでも同じ。自分の記憶力に呆れるばかり。これはもう、ラプラスの魔女を読み返すしかなかろう。

作品自体は期待を裏切らない素晴らしさで、先日『素敵な日本人』の二冊目を買ってしまった失敗から読書メーターに記録を残して購入前にそれを確認する事にした、なんて事はどうでも良いくらい買って読んで良かったと思える作品。

 

因みに、初版を購入したのだけれど、272頁の登山ガス、は誤植だと思われる。出版社に伝えたい。

小説『魔女の胎動』

小説『ダイイング・アイ』

本家

祈りの幕が下りる時の映画をみ終えてその足で立ち寄った本屋で見つけて。

SEXに関する描写があったのは一度目ではないけれど、ここまで詳細に描かれたのを読んだのは東野圭吾作品では初めてな気がする。が、読み終えた感想は、アレは必要なのだろうか?と。いつもどおりに緻密に色んな事が背景に散りばめられていてその辺りは見事と言うしかないのだが、子供を欲しがるところは瑠璃子の本心が最後には分かるのだろう、と読み進めたのだが分からずじまい。想像しろ、と言うことなのだろうか。全作品を読んだわけではないのだけれど、こんな終わり方をするのはらしくない、と感じた。うーん、これまで外すことのなかった東野圭吾作品の中で、外すと言うわけではないけど読後感が今ひとつ、と言うところか。

小説『ダイイング・アイ』

映画『祈りの幕が下りる時』

本家

上映中のものを映画館にて。

 

もちろん原作を読んで絶対にみたい、と思ってはいたけど、中々映画館に足が向かず、でも休みで他に何もないこの好機を逃すまじ、と平日朝から観に行って、本当に良かったと思える作品だった。

阿部寛演じる加賀恭一郎は原作とは少し異なる印象を与える癖のある感じがたまらなく良く、でもやはり原作の素晴らしい感情の機微等は見事と言う他ないほどに演じ切られていて、もうそれだけで満足。に加え、超がつく程の美しさを放つ松嶋菜々子演じる浅居博美もストーリーが進むと共に影が滲み出てきて最後には前半と違う人かと思う程、と言うのは少し大げさなのは承知の上で、でもそのくらいの変化を感じさせる素晴らしさ。あげるときりがないけど全ての役者が素晴らしい演技で、作品自身の良さを存分に引き出していたように思う。更に音楽も良かった。

と大絶賛ではあるものの、映像美と言う点ではTVの印象を強く残していて、正直後日配信か何かでみても同じだけの感動を得られる気がしたのも事実。

で、勢いに乗って麒麟の翼をみてみたら、やはり素晴らしかったけど、音楽が全く駄目な印象だった。で、悪く言った映像も今作品の方が数段良かった事も。更に、両作品とも大好きで、この辺は欲を言えば、的な内容である事も付け加えておく。

映画『祈りの幕が下りる時』

小説『片想い』

単行本を昨年末に購入、年越ししてしまったので他を差し置いて一気に。

 

このタイトルでこの内容を想像できる人がいるのだろうか。作者である東野圭吾以外にはいない。そう思う。

テーマは男と女、なんだろうか。日々、自分の中でハッキリしない、でも何かしら感じる違和感のような部分があり、でもソレを表に出すことはなくむしろLGBTQなんて自分には関係ない、そういう態度に終始していた自分に今一度立ち止まって考えさせられる作品だった。もちろん作者一流の凄まじいまでの緻密なストーリー構成や細やかなシーン描写は変わらず素晴らしいものだったのだが、テーマが深く心に響いてきた。そしてこれを書いたのが二十年程前とは、、、

まだまだ未読の作品が待ち受けている事を幸せに思わずにはいられない。

小説『片想い』

小説『マスカレード・ナイト』

本家

東野圭吾のマスカレードシリーズ最終作?

かどうかは知らないけど、大きな区切りはついていると思われる終わり方だった。

相変わらず読んだはずの2作品の内容が思い出せないまま読み進めたが、ホテルが舞台なこととその従業員と刑事が絡み合う話だった事はなんとなく覚えていて、帰国子女だった事なんかは全く覚えておらず、それがホテルマンに扮する為の選定理由になっていそうな事なんかも全く覚えていない。

でも、初めて読んだとしても抵抗なく読めるだろうし読み始めればその世界にすぐに入り込める事は間違いなく、でも色んな登場人物が色んな含みを持たせた状態でストーリーは進行、最後にはこれもあれも全部拾うのか、そこもそうつながっていたのか、と思わずにはおれない、東野圭吾らしい緻密な作品。

小説『マスカレード・ナイト』

小説『容疑者Xの献身』

Wiki

映画をみて原作を読んでいたつもりで本棚を見てないことに気付き、改めて読んでみた。

映画の堤真一と松雪泰子がチラつくというより全てのキャラクターがそれぞれの台詞を言っているかのような感覚で読み進めたのは良かったのかどうなのか。そのような読み方でも映画は良く描かれていた、と感じた。東野圭吾作品は、緻密さが論理や技術的な部分だけでなく、登場人物のちょっとした仕草も繊細に描かれていて、それが過ぎると気になるものだと思うのだけれど、丁度いいところに丁度いい具合に散りばめられている、そんなところが魅力なのだと感じた。ラスト、凄まじいシーンが映画でもすごく良く描かれていて、小説を読むとまたそのシーンが頭の中で繰り返された。

小説『容疑者Xの献身』