小説『雨の中の涙のように』

光文社

図書館シリーズ。ちょっと読むのに時間がかかってしまった。

小説宝石と言う、手に取ったことさえない雑誌に連載されていたらしい。でも、いやそれは当然なのかもしれないが、一つの作品としてきちんと構成されていた。アイドルが俳優に転向?いやに違う路線だな、と言うあらすじか作品紹介か何かを読んだときに持った印象とは全く異なり、堀尾葉介と言う人物の素敵さがにじみ溢れ、でも最後には様々な苦悩を抱えた人生であったことも明かされ、なんというかとても親近感が湧くというか温かさを感じると言うか。いくつかの章に分かれ、堀尾葉介と言う人物の子供の頃から大人になったあとの所までを様々なエピソードと共に描いていて、そのどれもが最初、何その始まり?的な印象を持つものの読み進めると彼につながっていく、とても心地良い読後感を与えてくれる作品。これまでとは異なる雰囲気でこれはこれでとても好き。

小説『雨の中の涙のように』